動画の台本の書き方:耳で聞く原稿のルール、5段構成、プロンプター用の整え方と例文
一文一義、冒頭のつかみ、「つかみ→悩み→解決→根拠→行動」の5段構成、プロンプター向けの整え方と音読チェック。テンプレートと例文つきです。
このガイドの内容
動画の台本の書き方でいちばん大切なのは、目で読む文章ではなく、耳で聞く原稿として書くことです。一文にはひとつの内容だけ。普段の話し言葉を使い、最初の3秒で見続ける理由を伝え、「つかみ→悩み→解決→根拠→行動」の5段で組み立てる。最後に声に出して読み、言いやすくなるまで直します。この記事では手順を一つずつ解説し、そのまま使えるテンプレートと例文も紹介します。
台本と文章のいちばんの違いは「耳で聞く」こと
文章なら、読み手は分からないところを読み返せます。動画の視聴者はそうはいきません。聞き逃したら巻き戻すのではなく、スワイプして次の動画へ行ってしまいます。だから台本には、文章にはない3つの工夫が必要です。
- 大事なことは繰り返す:いちばん伝えたい一言は、冒頭と最後で2回言います。
- 道しるべを置く:「まず」「次に」「最後にもうひとつ」で、今どこを話しているかを伝えます。
- 具体的に言う:「お得です」より「月の電気代が少し下がりました」、「たくさんの人が」より「うちの店では常連さんがよく」。自分の実体験を使い、数字をでっち上げないことも大切です。
書き言葉と話し言葉の違いも比べてみましょう。書き言葉版は「近年の家賃上昇を鑑みると、入居前に諸費用を確認することは極めて重要である」。話し言葉版なら「最近、家賃って上がってますよね。だから、契約の前にお金のことは全部確認しておきましょう」。後者のほうが短く、言いやすく、一度聞いただけで分かります。
動画の台本の書き方:6つの基本ルール
- 一文はおよそ40字以内。 長くなったら2つに分けます。息が続かない文は、聞く側にも負担です。
- 一文一義。 ひとつの文で伝えるのはひとつの内容だけ。2つあるなら2文にして、間に一拍置きます。
- 話し言葉で書く。 「〜である」は「〜です」、「実施する」は「やる」、「〜に関しまして」は「〜について」に。
- 語りかける形にする。 日本語では「あなたは」と何度も言うと翻訳調に聞こえます。「〜ですよね」「〜してみませんか」と問いかけるほうが自然です。
- 形容詞より具体例。 「すごく便利」より「朝の準備が10分早く終わるようになった」のほうが伝わります。
- 耳で紛らわしい言葉を避ける。 「科学」と「化学」、「市立」と「私立」のような同音異義語や、硬い漢語は、言い換えるか補足を入れます。
冒頭3秒の「つかみ」を書く
見るかどうかは、最初の数秒で決まることが多いものです。よく使われるつかみは5つあります。
- 悩みを問いかける:「撮るたびに、セリフが飛んでしまいませんか?」
- 常識をひっくり返す:「台本を丸暗記するほど、動画は不自然になります。」
- 結果から言う:「この3つを変えただけで、画面がぐっと明るくなりました。」
- 数字で約束する:「内見のとき、必ず聞きたいことが3つあります。」
- 場面を思い浮かべてもらう:「8回撮り直しても、まだ納得できない。そんな経験ありませんか?」
つかみのあとは、すぐに中身へ。「どうもー、〇〇チャンネルです、今日はいい天気ですね」と時間を使わないようにしましょう。
5段構成:つかみ→悩み→解決→根拠→行動
60秒のトーク動画なら、配分はおおよそ次のとおりです。
| 段 | 役割 | 目安の長さ | 例 |
|---|---|---|---|
| つかみ | 見続けてもらう | 3〜5秒 | 「部屋探しで怖いのは、家賃より住んでから気づく問題です。」 |
| 悩み | 視聴者の状況を言葉にする | 5〜10秒 | 「内装だけ見て決めて、あとで後悔する人は少なくありません。」 |
| 解決 | 方法や答えを伝える | 30〜40秒 | 「ひとつ目は、日当たりを時間帯を変えて見ること。」 |
| 根拠 | 信じてもらう | 5〜10秒 | 自分の体験、やる前とやった後の違い |
| 行動 | 次にしてほしいことを伝える | 3〜5秒 | 「保存して、内見のときに見返してください。」 |
「解決」で話すポイントは3つまでが目安です。5つでは覚えきれず、1つでは物足りなく感じられます。
プロンプター用に整える:改行・間・セクション
書き上げた台本は、プロンプターに入れる前にもう一度整えます。
- 1行は10〜15字程度にし、文節の切れ目で改行します。単語の途中で切らないようにしましょう。
- 息継ぎや強調をしたい位置に
[pause]を入れ、前後にスペースを空けます。Cameratel の原稿エディタなら「間」ボタンで入れられます。 #で始まる行でセクションを区切ります(例:「# 解決その1」)。プロンプターに目印として表示されますが、読み上げる文字には含まれません。- 動きのメモも
#の行に書けます。「# 鍵を見せる」と書いておけば、いつ動くかの合図になり、セリフと混ざりません。
整えたら、Cameratel の原稿ライブラリに表示される分量と推定時間を確認しましょう。長すぎる場合は話す速さを上げるのではなく、形容詞や重複した例を削ります。尺と文字数の関係は1分間に話す文字数の目安表で確認できます。
音読チェック:声に出して3回読む
- 1回目は、言いにくい箇所を探す。 つかえたところ、息が続かないところに印をつけます。
- 2回目は、1割削る。 初稿はほぼ確実に長めです。前置きと重複から削りましょう。
- 3回目は、時間を計る。 目標の尺と比べ、長ければさらに削り、短ければ例をひとつ足します。
- 最後にリハーサル。 プロンプターの開始ボタンをタップし、録画ボタンは押さずに原稿を流して、間が必要な場所を確かめます。音声追従で試すと(開始ボタンはマイクのアイコンになります)、認識が引っかかる文は、たいてい聞く側にも分かりにくい文です。
よくある4つの失敗
- 前置きが長い:あいさつ、チャンネル紹介、天気の話で10秒が過ぎてしまう。1文目をつかみに差し替えます。
- 詰め込みすぎ:ショート動画にポイントを5つも6つも入れ、どれも中途半端に。シリーズに分けて1本1テーマにします。
- 行動の呼びかけがない:話して終わりでは、視聴者は次に何をすればいいか分かりません。保存、コメント、次の動画など、ひとつだけ伝えましょう。
- 形容詞ばかりで例がない:「本当に便利」「めちゃくちゃおすすめ」を何度言うより、具体的な場面をひとつ話すほうが伝わります。
そのまま使える台本テンプレート
【】の部分を自分の内容に置き換えて使ってください。
# つかみ 【よくある悩み】、ありませんか? [pause] # 悩み 多くの人が【よくある思い込み】と考えて、 【困った結果】になってしまいます。 # 解決 実は、やることは3つだけ。 ひとつ目、【方法1】。 ふたつ目、【方法2】。 みっつ目、【方法3】。 [pause] # 行動 保存して、【使う場面】で見返してください。
例文:内見で必ず確認したい3つのこと
# つかみ 部屋探しで怖いのは、 家賃より、住んでから気づく問題です。 [pause] # 解決 内見では、この3つを確認しましょう。 ひとつ目、日当たり。 できれば時間を変えて2回見ます。 ふたつ目、携帯の電波。 部屋の奥で一度、電話をかけてみます。 みっつ目、夜の音。 周りの道路や、お店の音を聞いておきます。 [pause] # 行動 保存して、次の内見で見返してください。
この例文は読み上げる部分が約150字で、普段の速さなら30秒ほど。TikTok、Instagramリール、YouTubeショートにちょうどいい長さです。ほかの型はショート動画の台本テンプレート10選に、5〜15分の長い動画の組み立て方はYouTube台本の構成にまとめています。台本ができたら、プロンプターカメラでレンズのすぐ下に流しながら撮ってみましょう。
よくある質問
台本は一字一句すべて書くべきですか?
慣れないうちは全文を書くのがおすすめです。少なくとも冒頭と締めは一字一句書いておきましょう。慣れてきたら、要点とキーフレーズだけ書いて、間は自分の言葉でつなぐ方法もあります。
冒頭で自己紹介は必要ですか?
必ずしも必要ではありません。ショート動画では、まず見続ける理由を伝え、名前は3〜5秒目か最後に軽く言う程度で十分です。
台本に方言やネットスラングを入れてもいいですか?
視聴者層とキャラクターに合っていれば問題ありません。ただし使いすぎないこと。音声追従で撮るなら、認識されるかどうか一度試しておきましょう。
良い台本かどうかは、どう判断すればいいですか?
声に出して読んでみることです。つかえずに読めて、ひと息で一文を言い切れて、聞いた人が考え直さずに理解できれば良い台本です。読んでいて言いにくい箇所は、聞く側も疲れます。